前回の記事(あなたの恋愛がうまくいかない本当の理由 仮面の正体・本当の自分とは)の続きです。
仮面を外す方法
頑固な仮面を外すための6つのワークを紹介します。
心のスペースを作る
目の前のできごとや考え事で手一杯になると恋愛どころではなくなってしまうので心のスペースを作ることから始めましょう。
心のスペースとは自分の気持ちを感じるための時間的、身体的、精神的ゆとりのことです。
ゆとりを持って自分の心と向き合うと過去の辛い思い出や、抑えていた感情がわき上がることがあります。
やっと思い出を整理する心の余裕ができたということなので抑えずに癒しましょう。
時間的ゆとり
心の課題にはリラックスして落ち着いて取り組むことが大切です。
やらなくても支障のないことはやめて1日1時間でもいいから自分の気持ちをゆっくり感じる時間を作りましょう。
手持ちぶさたに感じる時間ができたら、いい傾向です。
精神的ゆとり
誰かに自分の行動や考え方を責められたりしない精神的に安全な場所を確保することが大切です。
呼吸に意識を向け、ゆっくりと深呼吸しましょう。
ひと呼吸ごとに体の部分に意識を向け、力を抜くとリラックスできます。
自分が落ち着ける場所にいると想像するのもいいでしょう。
仮面とシャドウに気づく
前回3つの仮面について紹介しましたが、その仮面を作り出した「小さな仮面」を探ります。
大きな仮面より先に小さな仮面を外すほうが抵抗なくできます。
次のワークで自分の仮面に気づきましょう。
自分シートを作る
A4の紙の真ん中に縦線を引いて左右に分け、右に「こんな人でありたい」左に「こんな人でありたくない」の欄を作ります。
思いつくままに書き出し、自分が当てはまるものに○、自分に当てはまらないものに●をつけます。
相手シートを作る
別の紙を用意して同じように右に「こんな人が好き」左に「こんな人が嫌い」の欄を作ります。
思いつくままに書き出し、自分シートの「こんな人でありたい」と相手シートの「こんな人が好き」の欄を比べます。
自分シートに書いてあるものには○、書いてないものには●をつけます。
浮気をしない、暴力をふるわないなど自分が傷つかないための条件だとわかるものには★をつけます。
「こんな人が嫌い」の欄は基本的に全部●です。
自分のシートの「こんな人でありたくない」も参考にして相手シートに項目を加えましょう。
自分が傷つかないための条件には★をつけます。
タイプ別の傾向
自立タイプの人は自分と同じタイプの人を好きになることが多く、自分にも他人にも公平で善悪の基準がしっかりしている人が多いです。
依存タイプの人は自分にないものを持っている人を好きになることが多く、劣等感の裏返しで憧れで相手を好きになります。
自己犠牲タイプの人は自分を守るための★の項目が多く、好きというより消去法で条件を出しています。
ワークでわかること
このワークで仮面とシャドウがわかります。
○がついたところは仮面で自分が認めている性格や考え方です。
●はシャドウで自分には当てはまらない、もしくは禁止している部分です。
●の項目は当てはまっていなくても心理学的に意味があり、呪いの仮面はシャドウに注目することで見つけることができます。
仮面とシャドウを統合する
仮面を自分で外せるようになるゲシュタルト療法の「センタリング」というワークを紹介します。
「~すべき」とこだわっている自分の心(仮面)と「~するのは嫌」と思っている抑え込まれた自分の本心(シャドウ)を統合することで葛藤を解消し自分の意思で生きられるように成長します。
呪いの仮面を探す
ワークで作った相手のシートの「こんな人が嫌い」の欄を見て●がついているものに注目し、なぜ嫌いなのか考えてみましょう。
そして自分の中の「~しなければならない」「~してはいけない」というルールがあるかを探してみましょう。
嫌いな人というのは自分の心に中にある「~すべき」というルールを破っている可能性が高いです。
つまり自分の中にルールを持つと嫌いな人が現れ、そのルールが呪いの仮面なのです。
仮面を外す呪文
呪いの仮面のルールの中には自分ではなく、親が作ったものもあります。
小さい頃に親に言われたルールが心の中に生きていて、ずっと従い続けてしまっているのです。
しかし親から受け継いだルールは、ある時期に整理して自分の意思で選び直すことが大切です。
自分の意思とは「~したい、したくない」「~でありたい、ありたくない」という考えです。
自分の意思ではないものは「~しなければいけない」という考えです。
「~すべき」というルールに従うと誰かに決められているという感じがするので、思い切って「~したい。なぜなら・・・」と自分の意思に変えてしまいましょう。
親のしつけで学んだ命令形のルールを愛情の言葉で表現してみます。
例「私は約束の時間を守りたい。なぜなら相手の時間を大切したいから」
愛情ある自分の意思に置き換えることで、状況によって別な選択ができるようになります。
仮面を半分だけ外す
中には「我慢しなければいけない」など愛情の言葉に直せない場合もあります。
より強力な仮面を発見した時は「リフレーミング」というワークで半分だけ仮面を外しましょう。
つまり「考え方の枠を変える」ということです。
条件つきで仮面を外す
呪いの仮面が外せない理由は「昔は生きるために必要だった」からです。
仮面を外そうとすると子供の頃の寂しさや親に嫌われる恐怖が出てきて簡単には外せません。
無理に外そうとすると心に抵抗が生じるので、条件つきのルールに変えて仮面を使う場面を限定します。
例「我慢しなければいけない、と思っている人の前では我慢しなければいけない」
実は呪いの仮面を持っている人の親も同じ仮面を持っていることが多いです。
「親の前だけでルールを守ればいい」と思えると心が軽くなります。
「言いたいことを言ってはいけない」など上のルールに当てはめても、しっくりこない場合は「いっぱいいっぱいの人の前では」と言い換えてみましょう。
例「いっぱいいっぱいの人の前では、言いたいことを言ってはいけない」
自分の主張ばかりしていた親は「いっぱいいっぱい」だったのかもしれません。
ポジティブなシャドウの取り扱い方
自分シートと相手シートの「こんな人になりたい、好き」の欄で●がついている項目は「憧れ」でポジティブなシャドウです。
ネガティブなシャドウと同じように振り回されてしまいますが、憧れの自分に近づけば影響は小さくなり落ち着いて恋愛できるようになります。
項目の4分の1以上●がある場合は次のワークに取り組みましょう。
今の自分を自己採点する
理想の状態が100点、全くダメな状態を0点として、今の自分が何点か採点する。
すでに得ているものを確認する
加点法で採点し、なぜその点数なのか考えてみる。
自分がすでに持っているものや得ているものを確認し、きちんと評価することは大切です。
あと5点上がったらどうなるか考える
点数を上げるために何をすればいいか考えてみます。
急に100点を目指すと「自分はダメなんだ」という思いが強くなるので、小さな成功体験を積み重ねて心の勝ちグセをつけます。
5点上がった時の行動を一生懸命やる
点数を上げるために思いついたことを行動に移します。
未来を想像するだけでなく、行動に集中することで物事がうまくいくようになります。
うまくいったら考えて行動することを繰り返します。
プラス思考で考えて楽しみながら自分を育てましょう。
憧れる気持ちは誰にでもあるので●を全部なくそうとしなくても大丈夫です。
なかなか消えない●はパートナーに補ってもらいましょう。
仮面の奥の感情を浄化する
さらに強力な仮面がある時にはネガティブな感情を浄化する必要があります。
仮面が外れてフタをしてきた感情があふれてきた場合には自分の感情を体の感覚として感じる「フォーカシング」のワークが効果的です。
日々感じている体の感覚を利用して感情のケアをすると、子供時代に抑え込んだ感情も浄化することができます。
感情が体のどこにあるか感じてみる
今わいてきている自分の感情が体のどこにあるか自問し、「胸がムカムカする」など体の感覚として感じてみます。
フォーカシングは「体の一部に感情がある」と意識して、感情と適切な距離を保つことが大切です。
感情はのど、肩、胸、胃、下腹のどこかにあるのがほとんどなので、どこにあるかわからない場合は順番に聞いていきます。
体の感覚に寄り添う
体の感覚に「こんにちは」と挨拶をして「ここにいることを知っている」と寄り添いましょう。
嫌っている感情はすねているので、しっかり対話して仲直りすることが大切です。
できれば感覚がどんな感じなのか、感性を大切にして言葉で自由に表現してみましょう。
例「ドロドロした感じ」「黒く重い固まり」「赤いトゲトゲ」など
体の感覚に確認して、ぴったりした表現が見つかったら寄り添います。
違っていたら何度でもやりなおしてOKです。
体の感覚と対話する
心のケアをもう少し進めたい人はやってみてください。
わいてくる感情が怒りや悲しみの場合は、体の感覚に「何がそんなに怒らせているの」と聞いてみます。
「なぜ」「どうして」という聞き方は責められているように感じるので避けたほうがいいですが、自然に感じるなら構いません。
そしてしばらく答えを待ちます。
答えは必ずしも声ではなく、映像で見える場合もあります。
答えが返ってきたら「~だから、怒っているんだね」と体の感覚にそのまま伝え返します。
対話するうちに相手のせいだと思っていたけれど、実は気持ちをわかってないのは自分自身だったと気づくかもしれません。
その場合は「わかってあげられなくてごめんね」と体の感覚に伝えましょう。
さらに「どうして自分の中にいるのか」も聞いてみましょう。
今まで嫌だった感情が「あなたを守りたい」など意外なコメントを返すこともあります。
最後に体の感覚に「今日はありがとう」と感謝を伝えます。
また会う必要がある場合は「また会おうね」と言って別れましょう。
抑圧した感情を癒すと、他人の言動に対して心穏やかでいられるようになり、感情を上手に受け流すことができるようになります。
タイプ別アドバイス
依存タイプは感情を相手にぶつけてしまうことが多いので、フォーカシングで感情を整理すると楽になります。
自分の感情は自分の責任です。
我慢してため込むのではなく、きちんと感じきり、出てこなくなる状態を維持しましょう。
感情を自分で浄化できる自信がつけば、恋愛が進歩して長続きします。
自己犠牲タイプと自立タイプは自分で抱えている感情を実感できないことが多いかもしれません。
体の正直な声を聞くことでフタをしていた感情を感じることができるようになります。
呪いを解く
子供の頃の自分をイメージして禁止してきた感情を許し、未完了の感情を表現できるようにする「インナーチャイルドワーク」を紹介します。
自己犠牲タイプの人にぴったりのワークですが、他のタイプの人も取り組んでみてください。
インナーチャイルドワークのやり方
- イスやクッションを向かい合わせに置いて片方に座る
- ゆっくりと深呼吸する(リラックスできる音楽をかけるのも効果的)
- 向かい側の席に子供の頃の自分が座っているとイメージする
- 自分に足りなかった言葉を声に出して子供の自分にゆっくり語りかける
- 向かい側に座り子供側の気持ちでイメージしながら言葉を聞く
語りかける言葉の例を紹介します。
親から言ってもらえなかった言葉、気持ちが動いた言葉があればチェックしておきましょう。
今の自分に必要な言葉です。
- 楽しい時は思いきり笑っていいんだよ
- うれしい時は心から喜んでいいんだよ
- 嫌な時は嫌だって言っていいんだよ
- 寂しい時は一緒にいてくれる人を求めていいんだよ
- つらい時は助けを求めていいんだよ
- 何でも一人で頑張らなくていいんだよ
- やりたいことを最後までやっていいんだよ
- 自分の気持ちを大切にしていいんだよ
- つらい時は泣いてもいいんだよ
- そのままの○○ちゃん(自分の名前)が大好きだよ
- 元気な時も元気のない時も、どっちも大好きだよ
- よい子の時も悪い子の時も、どっちも大好きだよ
- ○○ちゃんは悪くないんだよ
- よく頑張ったね、えらいね
- 優しい子だね
- かわいいね
- 生まれてきてくれてありがとう
- あなたが頑張ってくれたから今の私がいる、ありがとう
他にも言ってあげたい言葉があれば伝えましょう。
人は自分が言われたことのない優しい言葉を心をこめて相手に伝えることはできません。
まずは自分に対して優しい言葉をかけてあげると相手にも言えるようになり、自分も相手も大切にすることができます。
我慢してきた思いがあふれてきた時は
ワークをすると今まで無理してきた感情があふれ出て我慢できなくなり、自分がわがままになったように感じることがあるかもしれません。
我慢は解決ではないので抑え込んだ感情をしっかり感じて出しきりましょう。
今一緒にいる人が我慢を強要する人なら一緒にいるべきかどうかを考えてみる必要があります。
ネガティブな感情が出てきたらフォーカシングを実践して浄化し、新たな一歩を踏み出しましょう。
タイプ別アドバイス
依存タイプは優しい言葉をかけてもらった経験が不足しているので、子供の自分になって受け取る部分をしっかりとやりましょう。
そして仕事など恋愛以外の部分でやっている自己犠牲をやめてみましょう。
自己犠牲はありのままの気持ちを表現する許可を出してあげましょう。
先ほどの言葉で感情が動いた部分を何度も繰り返して言います。
フォーカシングを身につけて他人に迷惑をかけずに自分の気持ちを表現しましょう。
自立タイプは人に頼れないので「助けを求めていい」という言葉を中心にワークを行います。
人に迷惑をかけられない気持ちの裏には罪悪感が潜む場合もあるので「○○ちゃんは悪くない」という言葉も効果的です。
仮面を外すのが怖いあなたへ
自転車のカゴの法則
何台か並んでとめてある自転車のうちの1台のカゴに1個だけゴミを入れておくと、ゴミが入っていた自転車のカゴだけゴミがたくさん入ってしまうのだそうです。
人間関係でも似た法則があり、自分自身で「自己嫌悪」のゴミを捨てると他人からも粗末に扱われることが多いです。
つまり自分を嫌っていたり、自分を大切にしていない人は他人からも大切にしてもらえないのです。
小さい頃に親にしかられ「私なんてダメだ」と思うことから自己嫌悪が始まることが多いですが、大人になってからは親との関係を整理し、自分自身にゴミを捨てるクセを直す必要があります。
自分に対して優しい言葉をかけて自分を大切にしようと決めると、カゴのゴミはきれいになり、ゴミを捨てる人は確実に減ります。
恋愛上手は転び上手
スキーを上達させるためにはケガをしないように転び、上手に起き上がることが大切です。
恋愛も同じで「転ぶ=傷つく」と置き換えます。
傷つかないことを優先していると本当の幸せを手に入れることはできません。
相手を思いやり、幸せを願って行動することは大切ですが、相手の言動で傷つかないように心をしっかり保つ力が必要です。
転び上手になると幸せに向かって一歩踏み出せます。
マイナスを浄化してプラスにする
マイナス思考は仕事も恋愛も難しくしてしまいますが、極端なプラス思考の人にも問題があります。
極端なプラス思考とは怒りや寂しさを抑え込み、ネガティブなものを一切排除しようとすることです。
物事の明るい面を見ようとすることは大切ですが、嫌なことや嫌な感情にフタをするのはニセモノのプラス思考です。
ネガティブな感情はフォーカシングなどで出し切ってからプラスに目を向けましょう。
叫んだり、涙を流したり、カウンセラーに話を聞いてもらいながら浄化する方法もおすすめです。
自分のよさを受け入れる
欠点以上に見えにくいのが自分の長所です。
あなたは長所をほめられた時に「ありがとう」と受け入れていますか。
それとも「いえいえ」と謙遜、否定してしまうでしょうか。
恋愛上手になるには自分の長所を知り、心から感謝して受け入れることが大切です。
自分の長所を伸ばして他人のために使えば、出る杭は打たれず天狗にもなりません。
そして他人の短所も気にならなくなります。
自分のよさを受け入れて幸せな恋愛ができるといいですね。
つらいことも一緒に経験できるのが本当のパートナー
つらいと感じる時、状況そのものより自分だけが悩んでいるような孤立感のほうがつらく感じることがあります。
恋人や夫婦は親密な関係なので、お互いの悩みを分かち合うことができれば最高の安心感を得られます。
楽しいことだけではなく、つらく苦しいことも分かち合えば生きる希望がわいてきます。
まずは自分から思いやりの気持ちを持って相手に接しましょう。
つらい出来事も認めて受け入れられるようになると深みと温かさを持ったパートナーが現れます。
感想
3つの仮面を紹介しましたが私は「自己犠牲タイプ」と「依存タイプ」の混合型だと思いました。
みなさんに当てはまるタイプはありましたか。
著者の「恋愛が苦手なのではなく遅咲きなだけ」という言葉に勇気をもらいました。
一歩踏み出して自分の恋愛感を変えれば何歳からでも幸せになれるそうです。
たくさん悩んでも最後には幸せをつかみ取りたいですね。
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