11月12日の「サタデープラス」を見ました。
「歩き方は健康の鏡」と話すのは27年間で3万人の歩行指導をしてきた歩き方のプロ・健康運動指導士の黒田恵美子さんです。
黒田さんいわく理想の歩き方ができている人は100人のうち2~3人くらいしかいないそうです。
たったの2~3%とは驚きですね。
歩き方チェック
街行く人たち30人と番組MC3人の歩き方を黒田さんがチェックしたところ正しい歩き方をしている人は一人もいませんでした。
問題点は4通りに分けられるそうです。
そのままの歩き方をしていると「尿漏れ」「寝たきり」「転倒」「デブ」などになってしまうかもしれません。
ガニ股(尿漏れ)
街頭調査では30人中5人が、MCでは関ジャニ∞の丸山さん、サバンナの高橋さんが当てはまっていました。
ひざが外を向いてしまうガニ股です。
ガニ股歩きをすると股関節周りの筋肉が弱り尿漏れを抑えるための筋肉にも影響を与えてしまいます。
内股(寝たきり)
街頭調査では30人中13人が当てはまっていました。
ひざが内を向いてしまう内股は日本人女性に多いタイプです。
内股歩きをする人はO脚の人が多く、このままにしておくとひざが変形して寝たきりになってしまうかもしれません。
ガニ股・内股チェック法
自分がどちらの歩き方なのか簡単にチェックできる方法があります。
- こぶし一つ分開けて足を平行に開く
- こぶしをひざに挟んで屈伸する
こぶしとひざにスキ間ができるとガニ股、こぶしがひざに押されると内股です。
ちなみに、ちょうど良い人は押しも離れもしないそうです。
モンローウォーク(転倒)
伝説のハリウッド女優・マリリンモンローのようにお尻を左右に振る歩き方です。
MCの小島瑠璃子さんが当てはまっていました。
原因はお尻の横の中臀筋が弱いことから起こります。
モデルのウォーキングのように一直線に歩こうとすると横方向に踏ん張ることができず転びやすくなります。
転倒から寝たきりになる人は毎年3万人にも上るので要注意です。
チョコチョコ歩き(デブ)
街頭調査では30人中7人が、MCでは小堺さんが当てはまっていました。
後ろ足が伸びず地面を蹴り上げることができない歩き方です。
チョコチョコ歩きをすると筋肉が衰え、基礎代謝が落ち、太りやすくなります。
正しいウォーキング
変な歩きグセを矯正して理想の歩き方を身につけましょう。
腕を前後に45度振る
腕を後ろに振るのがポイントです。
後ろに振ると重心が前に出て歩幅が広がり早く歩けるようになります。
左右の腕をまっすぐに振ると脚もまっすぐ出て姿勢も良くなります。
タオルで腕の振りをチェック
フェイスタオルを縦半分に折って持ち、手を振ります。
目線にタオルが入らないと振りが小さく、タオルが反り返ると振りが大きいです。
タオルと腕が一直線になるように振るのが理想的です。
腕や肩を痛めず無理のない範囲で行ってください。
1日1万歩以上歩くのはダメ
国内のウォーキング人口は約3,630万人で3人に1人が歩いている計算になります。
一般的には「歩けば歩くほど健康」といわれていますが最近の研究では間違っていることがわかりました。
健康長寿医療センター研究所で医師の青栁さんは群馬県・中之条町で65歳以上の町民の生活を15年間調査して健康になる歩き方を導き出しました。
1日1万歩は危険
ウォーキングでよく目標にされる数字ですが実は1日1万歩は歩きすぎなのだそうです。
私たちは歩くたびに足の裏の血管を通る赤血球を踏みつぶしているので1万歩も歩くと貧血になる可能性が高まります。
実際マラソンランナーの中には貧血で悩む人も多いそうです。
また血管にも影響があります。
血管は血液に含まれるいろいろな物質に傷つけられています。
若いうちは治るのが早いですが歳をとると治りが遅くなります。
修復が間に合わないうちに運動で血流が上がる状態が続くと血管が硬くなり動脈硬化のリスクが高まります。
病気にならない歩数
「1日8,000歩」でその中に「早歩き20分」が含まれているのが理想的です。
1日の歩数と病気の予防
- 2,000歩⇒寝たきり
- 4,000歩(早歩き5分)⇒うつ病
- 5,000歩(早歩き7.5分)⇒脳卒中・心臓病・認知症・要介護
- 7,000歩(早歩き15分)⇒動脈硬化・一部のガン・骨粗しょう症
- 8,000歩(早歩き20分)⇒糖尿病・高血圧・脂質異常症
歩けば歩くほど多くの病気の予防につながりますが8,000歩を超えると逆に貧血や動脈硬化などの危険が高まります。
1日の歩数
職業の異なる3人の女性の1日の歩数を測ってみました。
- 専業主婦⇒5,688歩
- フルタイムオフィスワーカー⇒8,949歩
- デパート販売員⇒18,346歩
関ジャニ∞の丸山さんも測っていましたが2日間の平均が約4,300歩でした。
会社員の女性の平均歩数が約5,000歩といわれているので2人がクリアです。
しかし歩数は稼げても早歩きをする機会はあまりないと思います。
1日20分の早歩きに代わる方法
運動強度を表す単位を「メッツ」といいます。
安静時を1メッツとすると早歩きは3~4メッツになります。
毎日の生活の中で20分の早歩きができなくても同じ強度の活動を合計20分すれば効果が得られるそうです。
簡単にメッツを上げる方法
日常の行動の積み重ねでメッツが上がります。
- キッチンでつま先立ちをする⇒1.1メッツ上昇
- シワを取るために洗濯物を叩く⇒0.5メッツ上昇
- 買い物カートを使わずに手でカゴを持つ⇒0.7メッツ上昇
運動強度3~4メッツの活動
- 階段の昇降
- ボウリング
- 風呂掃除
- ペットの散歩
メッツを取り入れて早歩き20分と同等の運動を達成しましょう。
横断歩道を歩けない人は認知症のリスクあり
認知症の人は一般的に歩く速度が遅くなるということがわかってきました。
歩くためには「人を避ける」「足を前に出す」「方向を決める」「歩幅を調節する」などたくさんの動作が必要です。
認知症予備軍になると一度にたくさんの情報を処理するのが難しくなり歩く速度が遅くなります。
認知症の歩行速度
軽度認知障害を判断する歩行速度は「1秒間に80cm」です。
秒速80cmを身近に体感できるのは横断歩道です。
信号は青になってから点滅するまでの時間に全国共通の基準があり秒速1mに設定されています。
横断歩道を青信号のうちに渡りきれない人は秒速1m以下の速度なので軽度認知障害の疑いがあるといわれています。
発見が難しい軽度認知障害ですが横断歩道なら気軽にチェックできるので便利ですね。
早期発見は認知症の予防に効果的なので、もしもの時のために覚えておきましょう。
ウォーキングに適した時間
これから健康のために歩こうと考えている人もいると思います。
ウォーキングに適した時間は「夕方」です。
一日で一番体温が上がる時間なので運動に適しています。
夕方に運動することで眠りが深くなり睡眠の質が上がるといわれています。
歩き方や毎日の行動を少し気をつけるだけで病気のリスクが下がるんですね。
健康のためにできることから始めてみようと思います。
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