水野敬也「四つ話のクローバー」概要・感想・幸せと成功の法則

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水野敬也さんの短編集「四つ話のクローバー」を読みました。

あらすじなどをレビューします。

ネタバレありです。

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あらすじ

深沢会長の秘密

希望退職という形でリストラされた西はインターネットの掲示板で大手グループ会社の会長・深沢響に会う方法を見つけた。

噂によると彼は「この世に存在するたった一つの成功法則」を教えてくれるのだという。

疑いながらも連絡を取ってみた西は深沢会長に会う約束を取り付けた。

会長室の扉を開いて西が見たものとは、そして深沢会長の成功法則とは一体何なのか。

ハッピーコロシアム

12月31日の大みそかに「紅白」よりも「格闘技」よりも盛り上がるテレビ番組が登場した。

その名も「JHC(ジャパン・ハッピー・クラシック)」。

「日本人はどうすれば幸せになれるのか」という問題に対して熱い戦いを繰り広げる大会だ。

決勝戦はセレブ社長・真田雄一郎と質素な生活を送る・天海悟の対決。

「食」・「世間体」・「舌戦」の三本勝負で優勝するのは真田と天海のどちらなのか。

見えない学校

駅のホームで突然「幽体離脱」をしてしまった柿崎タカシ。

慌てていると50代後半の幽霊・沢村が現れ自分が地縛霊になりかけていることを知る。

そこへガイコツの天使・ルシファーが降り立ち人生の授業が始まった。

何かの手違いで幽霊になった柿崎は元の世界に戻るために試験を受けることになる。

制限時間は1時間でチャンスは1度きり。

果たして柿崎は自分の体に戻ることができるのだろうか。

氷の親子

深夜の遊園地で氷の熊の親子・熊五郎と小太郎は途方に暮れていた。

夏の特設コーナー「氷の動物園」が閉鎖されて外に出されてしまい体がどんどん溶けているのだ。

背筋が凍るジェットコースターやお化け屋敷などいろいろなアトラクションを試したが溶けるのを止めることはできない。

残り少ない命を親子はどう生きるのか。

感想

深沢会長の秘密

馬が好きな人におすすめの話です。

成功法則は「頑張る」という当たり前の内容でしたが実際に本気で頑張っている人はどのくらいいるのでしょうか。

深沢会長いわく天才も才能も効率も努力から生まれるものだといいます。

西をはじめ「楽をしていい結果を手に入れたい」という考えの人が世の中には多いので早起きやダイエット、貯金などの達成が難しいのだと思います。

どうしたら頑張れるのかという方法は引き寄せの法則の基本的な内容でした。

大きな願望を育てて自分の夢を叶えていきたいです。

ハッピーコロシアム

幸せの形は人それぞれなので特にこれが幸せという答えはありません。

真田は「欲望」天海は「感謝」という対照的な二人の対決が面白かったです。

第二試合は世間体に関する対決でしたが周りの声をどう受け止めていくのかとても勉強になりました。

自分には感謝が足りず周りの声をポジティブに受け止めることが必要だとわかりました。

自分の心の持ち方で幸せになれるかどうかが決まるんですね。

見えない学校

生きる上で「共感」が重要であると教えてくれる物語です。

共感さえ身に付けることができれば仕事や人間関係が驚くほどうまくいくとルシファーはいいます。

人間はどうしても自分中心に物事を考えてしまいますが心で共感できなくても共感している人がやりそうなことを実践してみることが大切です。

行動を変えれば考え方も変わり周りから愛される人間になれます。

沢村さんの最後の行動が思いやりがあって粋でした。

面倒から逃げずに行動を変えて幸せな人生を歩んでいきたいです。

氷の親子

親子愛と命の物語です。

小太郎を想う熊五郎の行動に心を打たれました。

残り短い命におびえる小太郎に対して食物連鎖の話で命がつながっていることを教える観覧車。

命が形を変えることを理解しているはずなのに「どうしてこんなに悲しいのか」という熊五郎の怒りに切なくなりました。

生きるとは何なのか、今を精一杯生きることの大切さを学んだ気がしました。

1時間くらいでサクッと読めました。

物語は短いですがそれぞれテーマが異なり心に響くものがあります。

3話と4話は切なくて泣けました。

繰り返し読むと理解が深まる気がします。

自己啓発本初心者や短い時間で読みたい人におすすめです。

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