4月22日放送の「英国王のスピーチ」を観ました。
トロント国際映画祭で最高賞を受賞し世界各国の映画祭などで話題になった作品です。
あらすじ
幼いころから、ずっと吃音(きつおん)に悩んできたジョージ6世(コリン・ファース)。
そのため内気な性格だったが、厳格な英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)はそんな息子を許さず、さまざまな式典でスピーチを命じる。
ジョージの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていくが……。
感想
実話に基づいているので、より物語がリアルに感じました。
吃音に悩むヨーク公(のちのジョージ6世)が言語療法士のローグと出会って吃音を克服しながら国王になるまでの単純明快なストーリーです。
登場人物も少ないですが、その中にはいろいろなドラマがありました。
実はアダルトチルドレンのヨーク公
自分も声が出しにくかったりすることがあるので、うまく話せないヨーク公の気持ちが痛いほどわかりました。
吃音は過去のトラウマが原因なのかもしれません。
彼の小さい頃の家庭環境がとにかく悲惨です。
言語障害があることに苦しんでいるのに「ちゃんと話せ!」と怒る父、女遊びの激しい自由奔放な兄、厳しすぎる乳母、13歳という若さで亡くなった弟、左利きやX脚の無理な矯正など影のある幼少時代でした。
こんな環境で生活していれば吃音になるのも無理はありません。
自分の気持ちを出さず、常に緊張の中での生活を強いられる王室の重圧は相当なものだと思いました。
そもそもヨーク公が王位を継ぐことになったのは兄が離婚歴のある女性と結婚するために王位を退いたことが原因です。
急に国王になってしまうという心の葛藤に同情しました。
自分に自信がない、でも頑張って克服しようとするヨーク公の姿勢は応援したくなります。
ユニークな治療法のローグ
お互いをファーストネームで呼び合おうとする人との距離が近い言語療法士です。
医師の免許はありませんが数々の患者を治した実績を持っています。
ヨーク公との言語トレーニングの方法が意外すぎて面白くて笑ってしまいました。
音楽を使ったり、歌ったり、踊ったり、叫んだり、時にはカウンセラーのように話を聞いたり。
ユーモアのあるローグと接していくうちに短気で一歩引いていたヨーク公も次第に心を開いていきます。
吃音を見守る妻と娘
吃音の治療に献身的な奥さんがとても素敵です。
「今まで公務に追われずに過ごしてこれたのは素敵な吃音のおかげ」と言える器の大きさが素晴らしいです。
娘のエリザベスとマーガレットがかわいくて癒されます。
まとめ
ヨーク公とローグがお互いの言いたいことをぶつけあってケンカしたり仲直りしたり、大人になってからの親友という感じで2人の絆が温かく感じられました。
最後のスピーチシーンは感動します。
同じようにトラウマやコンプレックスを抱えている人におすすめの泣ける作品です。
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