4月7日放送の「白熱ライブビビット ~ビビットFOCUS~」のコーナーを見ました。
テーマは「顔ダニ」です。
顔ダニは「デモデクス」と呼ばれ顔の毛穴に寄生しています。
ほぼすべての人に存在し普通の人でも約200万匹いるといわれています。
顔ダニが増えすぎると頬からあご、顔全体に赤い発疹や炎症などを引き起こします。
治療が適切でないために、なかなか治らない人もいるそうです。
今回は顔ダニに悩む患者さんの例を紹介します。
6年間治らなかったAさん(25歳女性)の場合
今までずっと頬やあごにできる赤い発疹に苦しめられてきたAさん。
顔を見られたくないのでマスクを着けて外出することが多くなり、化粧はしたくないけれど発疹を隠すために厚化粧になってしまう毎日でした。
一番辛かったのは出かけたくなかったり恋愛に積極的になれなかったりという心の部分が大きかったそうです。
顔ダニが原因だとわかったのは2か月前で、それまでの6年間はどんな治療をしても改善されませんでした。
皮膚科を受診しても治らない
最初に皮膚科を受診したのは18歳の時で原因は何も言われず思春期ということで塗り薬を塗ってもらうだけの診断でした。
ニキビなら自然に治るだろうと考えていましたが発疹は治まらず別な病院へ行くことにしました。
そこで診断されたのは「ストレス、食生活の乱れ」で治療法もあいまいでした。
薬を処方されて一時的には治った感じがしましたが、またすぐに繰り返し同じところに発疹ができていました。
処方される薬をいろいろ試し続けるうちに発疹が悪化することもありました。
化粧をしても隠れないほど大きな発疹ができたこともあります。
ある日、皮膚科の先生に「なかなか治らない」と話をしたところ「ニキビは体質だから治らないよ」と言われ衝撃を受けたAさん。
4年間通い続け、治ると信じて塗り続けてきた薬は何だったのだろうと思ったそうです。
病院を変えてみた
そして治療を始めてから4軒目となる東京・立川市の「立川皮膚科クリニック」を受診しました。
今までの経緯を話したところ、すぐ顔ダニの検査を行うことに。
院長の伊東先生によると顔ダニは「かゆい」という特徴があるそうです。
通常のニキビの場合は「痛い」ことのほうが多いので「かゆい」場合は顔ダニを疑ったほうがいいそうです。
顔ダニの検査は顔の皮膚の一部を削り顕微鏡で観察します。
顔ダニが原因の場合は皮膚の表面にいないはずのダニが顕微鏡に映し出されます。
検査の結果、顔ダニの増えすぎによる「毛包虫性座瘡」(もうほうちゅうせいざそう)と診断されました。
自分の顔に顔ダニがいるとは考えてもいなかったAさんはすごく驚いていました。
顔ダニは悪者ではない
顔ダニは1つの毛穴に5~6匹生息していて大きさは0.1~0.4mmほどです。
昼間は毛穴の奥にいますが夜になると毛穴から出てきて活動し皮脂などを食べています。
院長の伊東先生によると人間と顔ダニは「共存共栄」なのだそうです。
顔ダニが皮脂を食べることで皮膚が弱酸性に保たれるので決して悪いことばかりではありません。
皮脂のバランスを整えてくれる顔ダニですが数が倍くらに増えてしまうと常在菌の域を超えてしまうので発疹などができてしまいます。
顔ダニが増える原因
Aさんの場合は皮膚科でもらったステロイド剤を塗り続けていたので、皮膚の免疫力が低下し顔ダニが増えやすくなっていました。
また化粧を落とさずに寝てしまっていたことも原因でした。
化粧品の油分は顔ダニのエサになるので洗顔をおろそかにすると顔ダニが増え発疹ができてしまいます。
診断後のAさん
今まで原因がはっきりしなかったので「顔ダニ」と診断された時は気持ちがスッキリしたそうです。
病院から処方されたのは顔ダニを減らす飲み薬とビタミン剤でした。
治療を始めて2か月になり、まだ頬とあごに赤みは残っていますが大きな発疹はなくなったそうです。
「6年かかって全く治らなかったものが、こんなに早く良くなるなんて」とうれしそうにしていたAさんでした。
次回に続きます。